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本流ヤマメストーカー

おもにフライフィッシングのことなど

スミマセン、もう少し我慢を

6月のある日のこと。

そのポイントに尺ヤマメが居るのは分かっていた。

ソイツを狙って一週間。毎日朝夕そこへ立っていた。
朝はコカゲロウに対してのライズ。

夕方はシマトビケラに始まり、ヒゲナガへ。

小さな水門でせき止められたプールの流れ込み付近。
釣りが出来るポジションは二ヶ所のみ。

下流からアップストリームで20ヤードのポジションか、上流から15ヤードのポジション。

厄介なことに、梅花藻の向こう側に流芯がある。

昨日はヒゲナガの釣りですっぽ抜け。



朝四時半に川に到着し、お目当てのポイントへ一目散に向かう。

シメシメ。今日も取れそうなライズをしている。

昨晩のうちに、キールスタイルに巻いたCDCダンを準備しておいた。普通のスタイルは嫌われる様な気がしていたので、浅はかな思いつきだけど巻いてみたのだ。

下流側にポジションをとり、リールからラインを引き出し足元へ。

リーダー&ティペットは全長20ft6X。

ライズ地点の上流1メートルの所へひたすらキャスト。

二時間程投げ続け、日もだいぶ高くなってはいたが、ライズは止まることなく散発ながらも続いていた。


そして遂に……自分のフライがフッと吸い込まれる。
反射的にアワセを入れると、フッキングした魚は猛スピードでコチラに向かってきた。

無理は出来ないタックルだが、無理をしなければ止められない。

ティペットの強度ギリギリのところでなんとかこらえ続けるが、高弾性カーボンを使用しているロッドが力なくヘナッと曲がった。

それ以降、ロッドを通して伝わっていた生物の躍動感を感じることは無くなった。

ラインを回収してみると、フライとの結びの所でプッツリと……。

ロッドの弾性の限界を超えて、ティペットの強度が一番弱い所で切れたのだろう。



ここでもやはり二度目は無かった。

8寸位のは沢山釣れたが……。



何年か後、もう少し上流のポイントで、バンブーロッドにウェットフライの組合せで釣っていた時の事。

釣り下る事が出来ないので、少しづつラインを伸ばしてスイングさせていた。

5寸位のヤマメが飽きない程度に釣れてくるが、尺を越える魚は気配すら感じさせない。

そろそろキャスティングの限界の距離になった頃、水面にフライが落ちるや否や、、尺をはるかに越える魚が飛び付いて来た。

が、フッキングせずに後は元の静かな水面が広がるのみ。

今回は理由がはっきりしていた。

プレゼンテーションの後、手前の流芯をかわす為ロッドを立ててメンディング。
この動作が本来流れていくであろうレーンからフライを引っ張ってしまい、魚がライズする地点から離してしまった所為だった。


この川(地図には〇〇用水と記入されている)は広い所でも10mも無い本当に小さな川。

それでも梅花藻が生い茂り常に安定した水量がある、実は秘密の大物の川。

知らない人は通り過ぎてしまう、水田の中を流れる短い川。


この川にも色々と教えられた。

だが、最後まで自分には微笑んでくれなかった。

痩せ細った29センチのヤマメが最大でした。


誰も顧みないこの川も昔と変わらず流れている。

変わったのは自分。

いつしか大河での大物釣りに傾倒し、シューティングヘッド(シングルハンド)を使い、ダブルハンド、スペイと手を出してきた。

噂でしか聞いた事の無い、超が付く大物を求めて……。
  1. 2009/04/21(火) 21:55:55|
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遠き日の思い出

雪代がおさまり始めた渓。
遡行するのはてこずるけど、夏の強い日差しが降り注ぐ渇水の頼りない流れよりはまだましか。そう言い聞かせ流れを遡る。

ティペットの先には強い流れに負けない様にオーバードレッシングにしたスペントバジャー。

アカマダラを思わせる綺麗な赤いボディー。

早春の渓では何度か良い思いをしているお気に入りの1つ。

水量の多い厚い流れの下に居るであろう彼女に何度も見せ付ける。

渇水期には一投目で勝負がつくことが多いですが、今の時期は魚に見つけてもらうまでには時間がかかる。
同じポイントを何度流したろうか?同じレーンに。ではなく、一投一投少しずつレーンをずらしながら流していく…。

フライが流れの核心部へ差し掛かったその刹那、バシャッ!!

フライを捉えることなく身を翻し姿を隠してしまった。

思わず天を仰いだ。

この川ではめったにお目にかかれないサイズだった。


その後、この川の同じポイントに何度も通いましたが、そのポイントでは二度と反応すらありません。



何が悪かったのだろう?
自分の見た目では、ドラッグフリーで流れていた。

何故?

オーバードレッシングがいけないのか?

答を知っている彼女は、何も告げずにどこかへ隠れてしまった。




かれこれ、15年程昔の実話(一部脚色)です。
今はそのポイントも浅くなり、それでも行くたびに流してはみるけど……つわものどもが夢の跡。


それでもそのポイントにフライを投げ続けるだろう。
答を求めて……。
  1. 2009/04/20(月) 23:39:54|
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